長期修繕計画 見直してみた!「赤字」もう見過ごせない

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ブログの新シリーズが始まります! テーマは長期修繕計画

 

長期修繕計画や大規模修繕の相談は、とても多いです。そもそも計画と言われても中身がよく分からない。工事は十数年に一度で勝手が分からないし、大きなおカネが動きます。そこで今回は、わたし(麻生)が暮らしているマンションで、住民が主体となって赤字計画の見直しに取り組んだ実体験をお伝えします。

「専門知識が必要なのでは??」 心配ありません!

ただマンションは一つ一つ違いますから、このやり方が絶対に正しい、というものはありません。ひとつの例として、参考になればうれしいです。

 

赤字計画を放置

昨年6月の定期総会に、例年通り「〇〇マンション長期修繕計画のご提案」が付議されました。管理会社の名前でA4にして6枚。内容は
・建物概要
・収入支出金額の累計
・修繕積立金の収支推移予測
・修繕項目明細
です。問題は3点目の収支推移予測。現在残高は6000万円を超えていますが、30年計画の21年目以降はずっと赤字。1戸あたりにすると最大150万円足りない…。

実はこれ、今に始まったことではありません。私が7年前に理事長だった時もこんな状態でした。

管理組合としては「工事の内容がよく分からない」「管理会社の見積もりはいつも高い」「どうせ意見がまとまらないので自分が役員のときは提案したくない」など〝見て見ぬふり〟をする理由には事欠きません。

一方、管理会社としては「修繕積立金の段階的な値上げを聞いてもらえない」ので〝警告〟のつもりで赤字予測のまま提案しているのでは?と勘繰ってしまいます。いずれにせよ、大赤字のまま借入を含めて何の対策も示されていないのでは、単なる状況説明。とても計画とは言えません。

 

総会で問題提起

そんなわけで、一組合員として、総会で問題提起することにしました。声をあげることに迷いがなかったわけではありません。実際に見直すとなれば、言いっ放しというわけにもいかないでしょうから、相当の負担を覚悟せざるを得ないですし、建築関係の知識があるわけでもありません。

でも、わたしにはマンション管理士としてある思いがありました。この4月に始まった管理計画認定制度をご存じでしょうか。管理状態が一定レベルにあるマンションに、自治体がお墨付きを与えるものです(詳しくは先月まで連載したブログで)。「認定を受けて、よりよいマンションを目指したい」。そのためには長期修繕計画の見直しが最重要、と考えたのです。

総会では見直し提案に出席者のほとんどが賛同し、新理事会の決定を経て同年10月、専門委員会が発足しました。次回から、山あり谷ありの見直し作業の実態を紹介します。長丁場になりそうですが、気長にお付き合いください。(麻生&安田)

 

♣マンション概要
名古屋市内の築23年、住居専用の単棟マンション(7階建36戸)。管理は分譲会社の子会社に全部委託。14年目に1回目の大規模修繕工事を実施済み。

 

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