長期修繕計画 見直してみた!赤字に切り込む

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お久しぶりです。少しお休みしてしまいましたが
「長期修繕計画 見直してみた!」まだ終わっていませんでした…

 

前回で工事計画のお話は一区切り(覚えていますか?)、今回から「資金計画」です。

 

私たちのマンションの計画は、21年目以降ずっと赤字、1戸当たり最大150万円の赤字になっていました。工事計画を見直すことで30年間の工事費は2300万円減りますが、大きな赤字はそのまま。資金計画の見直しが避けて通れないことになりました。

 

一番に検討したのは収入面の改善。このブログの第3回で触れましたが、駐車場利用料の繰入先を管理費主体から修繕積立金主体に変更し、専用庭の使用料なども修繕積立金へ移しました。機械式駐車場の使用料は1000円引き上げています。その結果、修繕積立金会計の収入は年間約140万円の増収となり、残高が赤字の年はなくなりました。やれやれこれで一安心…と言いたいところですが、本当に大丈夫??

 

気になったのは2点。一つは最低残高の水準、もう一つは国交省ガイドラインとの比較です。

 

まず最低残高ですが、修繕積立金は計画修繕だけでなく、突発的な修理に備える意味合いもあります。ガイドラインでは特に触れていないのですが、残高がほとんどゼロになる時期があるのは、最近多い「想定外の災害」を考えると、ちょっと心配ですよね。マンション内で話し合い、1000万円程度は最低残高として確保したい、となりました。36戸なので1戸あたり約30万円です。

 

ガイドラインとの関係が気になるのは、昨年4月に始まった管理計画の認定を取りたいと思っているからです。全国基準の16項目に加えて、自治体ごとに設定される項目(名古屋市の場合は2項目)をクリアする必要がありますが、修繕積立金の水準は最大の難関と言っても過言ではないのです!

 

具体的なポイントは、「修繕積立金の平均額」が国交省「修繕積立金ガイドライン」(以下GL)が示す目安の下限値をクリアしているか、です(※1)。「修繕積立金の平均額(円/㎡・月)」は、以下の算式で計算します。

 

(A+B+C)÷(X×Y)
A:計画期間当初における修繕積立金の残高(円)
B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
C:計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額(円)
X:マンションの総専有床面積(㎡)
Y:長期修繕計画の計画期間(月)

 

スタート時点の残高に期間中の総収入を加え、月・㎡当たりの額を算出するのですが、毎月の徴収額だけではなく、残高と駐車場使用料等からの収入を加えることを忘れがちです。「修繕積立金の額の目安」はGLに表があって、マンションの階数、建築延床面積により5区分、それぞれ235円~430円/㎡・月のように示されています。機械式駐車場がある場合は加算が必要で、加算額も段数と方式で6種類に分かれます。

 

こうしてはじき出した平均額が目安の下限値を上回れば「合格」。私たちのマンションでは、機械式駐車場の使用料増額と、Cに修繕積立金の若干の運用益を加えてギリギリの数字でした(※2)。

 

以上のことから、以前もお話ししましたが、「修繕積立金は値上げ不要」となり、繰入額が減ったことで赤字となった「管理費の値上げ等を検討」することになりました。続きは次回に。(麻生&安田)

 

(※1)数値がクリアしていない場合でも専門家による理由書で認められる場合もありますが、あくまで例外的な扱いです。
(※2)運用といっても、リスクのある手法はお勧めできません。私たちは「マンションすまい・る債」の口数を増やすことで若干の利息収入を織込みました。

 

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