長期修繕計画 見直してみた!アップグレードはどうする?

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前回#11までで、どのように工事計画の見直しを進めたかに関しては一段落。でも長期修繕計画の見直しにあたっては、忘れてはいけない大事なことが残っています。それが「アップグレード工事をどうするか」です。

 

【必要と不要がともに半数弱】

#2で紹介した住民アンケートでマンションの将来ビジョンについて聞いたところ
「現状程度の機能・品質・外観は維持して行くべきだが、アップグレードは不要」
「現状維持だけでなく、ある程度のアップグレードは必要」
がともに半数弱という結果でした。

希望する具体的な工事について、13項目を挙げて聞きましたが、「ぜひやってほしい」「どちらかといえばやってほしい」を合わせて半数を超えた項目はありませんでした。

比較的多かった「窓枠・網戸の更新」「玄関扉の更新」で4割弱、「インターネット環境の整備・改善」「エントランスドア・裏口ドアの自動化」が34%、4K・8K対応が31%と続きました。

特別委員会では、何らかの項目を計画に入れたいとの声も多かったのですが、管理費等の大幅値上げが必要なのに、過半数が望んでもいない工事を盛り込むのは現実的ではありませんでした。

 

【給排水管 8割超が一体工事に賛成】

アンケートでは給排水管工事についても聞きました。専有部分と共用部分の一体工事に82%、修繕積立金からの費用拠出に52%が賛成しました(注)。

いずれも賛成多数とはいえ、費用や合意形成などの調整に一定の時間がかかることから、計画への反映は見送りました。次回の見直しで、是非検討したいと思っています。

(注)専有部分内の配管工事費を修繕積立金から拠出することについては、2021年の標準管理規約(単棟型)コメントの改正で容認されました。条件等も示されています(第21条関係⑦)。

 

【30年間で総工事費7%削減】

以上の結果、30年間の総工事費は3億200万円、もともとの計画から7%のダウンとなりました。手間をかけた割には今ひとつかもしれませんが、建設工事費の値上がりを考慮しておらず、現実問題としてギリギリに絞り込むのもどうかとの思いもありました。

長期修繕計画は、大きく工事計画と資金計画の2つに分かれますが、これで工事計画については終了です。次回からは資金計画についてお話しします。(麻生&安田)

 

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