長期修繕計画 見直してみた!実績値と大きなズレ

Posted on Posted in ブログ, 長期修繕計画

みなさん、この夏はどのように過ごされましたか? 本シリーズは、しばらく夏休みをいただいていましたが、1カ月ぶりに再開します。引き続き、お付き合いください。

前回、長期修繕計画の見直しにあたって、計画を作成した管理会社に詳細な説明を求めたこと、機械式駐車場に関して、つじつまの合わない点が見つかったことをお伝えしました。今回も機械式駐車場のお話です。

私たちのマンションの支出項目で、一番おカネがかかっている機械式駐車場。長期修繕計画の上では、修繕積立金からの支出(整備、更新、塗装、排水ポンプ)が30年間で計7800万円にのぼります。ここ数年、下段の1~2台分が空いており、今後、空きが増えることも懸念されるのですが、住民アンケートでは「現状の台数は確保していくべき」との回答が過半数。このままメンテナンスを続けざるを得ません。

2017年度から始まる見直し前の計画を見て、「おや?」と思ったことがあります。17~20年度のメンテナンス項目は、「制御盤」の可逆電磁開閉器・漏電ブレーカー・基板・拡張基板、「昇降装置」の駆動チェーン・吊上げチェーン、更に「安全装置」関係など、4年間で計680万円となっています。でも、最近そんなに大きな支出があった記憶はありません。

管理会社から入手した大口修繕費の実績表を確認すると、確かにチェーン交換などは行っていますが、金額としては340万円程度で、計画が実績を大きく上回っています。どうしてこうなるの??

 

【「良心的」なメンテナンス】

さらに調べてみると、マンション竣工以来、駐車場関連の大口修繕費の実績は、21年間で700万円。一方、各部品の交換周期(推奨)は5年か8年。推奨どおりに交換していれば、こんな金額で収まるハズがありません。

たどりついた結論は部品交換等は、きちんと部品の劣化状況を見ながら「良心的」に実施しているのだろう、ということです。

機械式駐車場はK社製で、保守管理も同社が担当していましたが、その後に事業譲渡があったのか、今はI社が行っています。管理会社経由で保守点検契約を結んでおり、3カ月に1度、点検作業があります。気づいた時には、作業の様子を見せてもらったり、作業員の方と話したりしますが、いつも真面目に取り組んでもらっている印象です。

機械式駐車場の保守点検報告書2のサムネイル
機械式駐車場の保守点検報告書

不要な部品交換を行わないのは当たり前ですから、このことをもって「良心的」と評することに、違和感を感じる方もいるでしょう。

でも、マンション管理士をしていると、「管理会社やフロントマンが、どんどん工事を提案してきて困る」という苦情を耳にします。「部品の交換時期です」「換えないと安全の保証はできません」などと言われたら、素人の役員は断れませんよね。

でも私たちのマンションでは、そんな心配はしなくても良さそうです。幸運だったし、評価に値すると思います。みなさんのマンションではいかがでしょうか。

次回は、「良心的」なメンテナンスを、計画の見直しにどのように反映したのか、お伝えしたいと思います。(麻生&安田)

 

感想、質問、お寄せ下さい!  このブログ(過去のものでも結構です)についてのご感想、ご質問など、何でも結構です。ホームページの「お問い合わせ」からどうぞ。

 

 

BLOG 最新記事