あなたのマンションに「いいね!?」その名簿、使えますか?

Posted on Posted in ブログ

管理計画認定制度のポイント、今回は残る「その他」2項目を見ていきます。

 

①管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に加え、災害等の緊急時に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、1年に1回以上は内容の確認を行っていること。

ここでいう組合員は区分所有者ですから通常は各戸に1人か2人。マンションに住んでいない人も少なくありません。一方、居住者はそのマンションに住んでいる全員です。認定基準を満たすには、両方の名簿を作り毎年最新の状態にしている必要があります。

この名簿ですが、個人情報の扱いに十分な配慮が求められることもあり「作らない」「求められても出さない」という話を聞くことがあります。でも、それで本当に大丈夫でしょうか?

例えば災害時。お年寄りや乳幼児、体の不自由な方など、支援を必要とする人が何号室にいるのか把握していなければ、助け合うことはできません。また「名簿がどこにあるか分からない」「管理会社に預けてある」では意味がありません。東日本大震災では、名簿を保管していた金庫のカギを持つ人が不在で、取り出せなかったということがありました。※仙台市「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」から

緊急時に名簿の束を出してきて1枚1枚確認するのも(ないよりはましですが)十分とは言えません。最小限の情報を抜き出して一覧表にし、管理員室などに備えておくのはどうでしょうか。

名簿の作成・管理ルールを作り、みなが安心、納得できる形で「使える」名簿を備えていただきたいと思います。

②都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること。

管理計画認定制度を運営するのは、愛知県や名古屋市です。ここまで紹介してきたのは、いわば共通科目。名古屋市の案では「自然災害等に備えた防災への取組の実施」「マンション周辺の自治会との連絡窓口を設けること」が認定基準に追加されています。

玄関ドアなどに掲げて無事を知らせる安否札
玄関ドアなどに掲げて無事を知らせる安否札

具体的な内容は現段階で公表されていませんが、大きな地震が起きたとき、玄関ドアなどに無事を知らせる「安否札」を掲げることを決めておく、などは導入しやすいと思います。自治会は個人参加のケースが多いかと思いますが、マンションが町内会の一つの「組」になっているような場合は、基準を満たせるのではないでしょうか。

 

認定基準については今回で終了です。全17項目と盛りだくさんでしたが、マンション管理をよりよいものとするヒントを見つけていただけたでしょうか。次回は認定申請の仕組みなどをお話しします。(麻生&安田)

 

 

BLOG 最新記事