管理計画認定制度のシリーズ4回目はおカネの話。「管理組合の経理」は、どの点をチェックすればいいか見ていきましょう。
①管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理が行われていること。修繕積立金は一定年数ごとに計画的に行う修繕、不測の事故などにより必要となる修繕のためのものです。共用設備の維持費や清掃費といった通常の管理に必要な経費とキチンと分けてプールすることが必要です。
②修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと。管理費が足りないからといって修繕積立金を流用すれば、将来必要な修繕が実施できない恐れがあります。一方、総会で決議すれば、管理費会計の余剰分を修繕積立金に繰り入れることは可能です。
③直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内であること。具体的には以下のBがAの1割以内である必要があります。
A:直近の事業年度1年間で各戸から徴収すべき修繕積立金の総額
B:同期間で3ヶ月以上の滞納が生じていた修繕積立金の総額
名古屋市の実態調査では、3ヶ月以上滞納している人が「いる」と回答した割合が2割を超えています。滞納が分かったら、すぐに支払いを促すことが大切。「しばらく様子を見てみよう」と思うかもしれませんが、滞納額が膨らめばその分、返済は難しく、回収は困難になります。法的措置を取らざるをえないこともありますから、弁護士などへの相談も検討してみてください。
管理会社に管理委託している場合も、最終的な回収の責任は管理組合にあります。
今回紹介した3項目の認定審査では、貸借対照表や収支計算書が必要です。いずれもマンションの維持管理に必要なおカネが足りているかの確認に欠かせません。もしなければ、これを機会に作ることをおすすめします。
ここまでで「いいね!」ポイントのほぼ半分、9項目を見てきました。次回は長期修繕計画についてです。 (麻生&安田)