マンションで大地震に遭遇したらどうする?シリーズ、今回はエレベーターのお話です。
まず確認しておきたいのは、エレベーターを使わないということです。
平常時ならともかく、閉じ込められてしまっても、すぐに助けが来るとは限りません。まだ動いているから、と乗り込んだ後に本震が来たりしたら、大変です。
★安全装置を確認しておきましょう
自宅のマンションに、エレベーターの取り扱い説明書はありますか? 安全装置について、どのように書かれているでしょうか。一度確認しておきましょう。ある築20年のマンションのエレベーターは、オプション仕様として、次の2つが記載されています。
①地震時管制運転 おおむね震度4以上で、走行中のかごを最寄りの階に停止させ、ドアを開く。停止後しばらくして天井照明が消え、ドアが自動で閉まり運転を休止する。
②停電時着床装置 停電により階の中間にかごが停止した場合、自動的に最寄りの階まで運転しドアを開く。
このような安全装置付きなら、閉じ込められることはなさそうです。しかし、熊本地震では、大手5社の54台で閉じ込めが発生したと報告されています。(H28年5月2日 国交省災害情報「熊本県熊本地方を震源とする地震について」)※マンションだけでなく、ビル等も対象です
詳しい状況まではわかりませんが、地震直後はエレベーターの使用を控えた方がいいのは、お分かりいただけるのではないでしょうか。高層マンションでは大変ですが、行動マニュアルなどに明記し、日頃からみなで情報を共有しましょう。
★万一、閉じ込められてしまったら
難しいかもしれませんが、まず落ち着くことです。通報ボタンで保守会社に助けを求めます。でも、大地震の混乱の中、すぐに助けがくるとは限りません。そこで考えたいのが
防災備蓄ボックスです。オフィスビルのエレベーターなどで、写真のような箱を見たことはありませんか? ものにもよりますが、水、食料、簡易トイレなどが入っています。安心のため、マンションでも設置を検討してはいかがでしょうか。
住民で救出訓練をしているマンションもありますが、転落の危険もあるなど、少しハードルは高そうです。外部から声を掛けて閉じ込められた人を励ましつつ、専門家の救出を待つのがよいでしょう。