長期修繕計画の見直しは、まだまだ続きます。
さて資金計画の続きです。
これまでお話ししたように、修繕積立金は駐車場利用料などを繰り入れ、機械式駐車場の使用料を値上げし、運用益も若干織り込むことで最低1000万円の残高を維持! 国交省のガイドラインもクリアできました(ほっ)。
▽結果的に「世間並み」
残るは管理費の問題です。
駐車場、専用庭使用料を修繕積立金に繰り入れたことで、年間約130万円、1戸当たり月約3000円の減収となります。もともと管理費も余裕があるわけではなく、このままでは毎年かなりの赤字となってしまいます。値上げは避けられませんが、問題はどれだけ上げるかでした。
選択肢は①減収分の3000円をそのまま上積みする②コストダウン等で少しでも金額を抑える③大幅に値上げするーの3つです。あなたならどうしますか?
私の持論は②。「自主管理への移行」です。でも、これはこれで大きなテーマ。現実問題として今回の見直しには間に合いませんし、「うまくやっていけるか不安」との声が大勢でした。結局、コストダウンは今後の検討課題、とのことでまっさきに選択肢から外れました…。
残りの選択肢は2つですが、結論から言うと、採用したのは③。
物価上昇などで今後、支出が増えるのは目に見えています。5年ごとに上がる火災保険料、長年のすえおきで増額を求められている植栽費、最低賃金の上昇も清掃費に影響しそう…など数え上げれば切りがありません。管理費の改定はひんぱんにできるわけでもないし、この際思い切って上げようとの意見が多数でした。
ではいくら上げるのか?
当初はそれなりの額を、という雰囲気でした。でも駐車場使用料を1000円上げてさらに管理費も大幅アップは困るという声も無視できません。結局3000円プラス500円、平均3500円の増額でまとまりました。新たな管理費は、1㎡当たり155円/戸・月。図らずも世間並みの水準に落ち着いたのです。
▽火災保険料は要注意
ここで管理費の収支計画で注意してほしいことがあります。それは火災保険料の支払い時期!
通常、5年分を一括して前払いしますが、バランスシート上は前払費用に計上されます。毎年の費用計上は1/5ずつです。
毎年の収支がギリギリでは、5年分の支払い時に現金が足りない!ということになりかねません。火災保険料の支払い時期とキャッシュフロー、要注意です。
ここまで長期修繕計画の見直しを「ビジョン」「工事計画」「資金計画」とみてきましたが、これにて一段落です。次回は見直し後の展開などをお話ししたいと思います。(麻生&安田)
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