長期修繕計画 見直してみた!金額設定はどうする?

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前回は、機械式駐車場の整備費について、実際にかかった額が、計画を大きく下回っていることが分かった!という話でした。今回は、その続き。

もともとの計画では、30年間の整備費は3500万円ですが、これまでの実績を見れば、もう少し低く抑える余地がありそうです。では、具体的にいくらにするのか、これが悩ましい問題となりました。

マンション竣工時からの21年間に実際にかかった額は700万円、1年当たり33万円程度です。それが計画上は1年当たり120万円。ネットで調べると「機械式駐車場は古くなればその分、おカネがかかるようになる」とあります。それはその通りでしょうが、さすがに多すぎると思いました。

特別委員会が出した結論は「実績値の3倍」。全面更新時期を迎える2048年までの27年間(※1)で、500万円ほど減額し、2800万円で新しい計画をつくる、というものです。それでも多いかもしれないとは思いましたが、今後の推移に注意して、次回の計画見直し時に再検討することを確認しました(※2)

 

【住民説明会で値上げに理解】

住民説明会では「実際にかかった額の2.5倍、もしかしたら2倍でもいいかもしれない」「3倍にすれば、それだけ駐車場使用料が上がる」と、ざっくばらんに話しました。しかし、特に異論もなく、特別委員会の案をそのまま新計画に反映し、駐車場の月額使用料を1000円上げることで理解を得ました。

実際におカネを払う際は、整備内容と金額をしっかり検討するわけですし、これはあくまで計画。住民のみなさんには「必要に応じて見直せばよい」と納得してもらえたのだと思います。何より、マンションが抱える大きな課題を共有できたのは、大きな収穫でした。

また今回の計画見直しでは、管理会社やメンテナンス会社と良好な関係を維持していくことが大事だということも、あらためて痛感しました。

計画見直し対象は、機械式駐車場にとどまりません。次回はそのほかの項目について触れたいと思います。(麻生&ヤスダ)

 

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(※1)国交省の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、機械式駐車場の全面更新は「18~22年」となっています。これまでにもお話ししたように、私たちのマンションの駐車場は単純昇降式なので、寿命が長く設定されているようです。
(※2)同省の「修繕積立金に関するガイドライン」では、機械式駐車場の修繕工事費(1台当たり月額)は、3段(ピット2段)昇降式では、5,840円となっています。私たちのマンションは30台ですので、1年当たり約210万円、27年間では5700万円。27年間の総修繕費2800万円に、28年目の全面更新費3600万円を加えると、6400万円。ガイドラインと比較しても、新たな計画額は、一定のレベルを確保しているといえます。

 

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