大地震の直後は、マンション内の排水は禁止。これが大原則です。でも、いつまで水の使用を控えればいいの? どうしたら再開できるの? 今回はこのお話です。
業者に連絡して、すぐに排水管をチェックしてもらえればいいのですが、何カ月も待つことになったら…ちょっとキツいですよね。自分たちで点検して、使用できるか判断せざるをえなくなった場合、どうすればいいでしょうか。あるマンションのルールを紹介します。参考にしてみてください。
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①各住戸で、水漏れがないか点検(キッチンの下、点検口の内部など)。
②共用部分で、漏水がないか目で見て確認(パイプスペース、排水溝など。管理人室に床下に入る点検口がある場合もありますが、酸欠事故がこわいので、中に入ってはいけません)。
③排水管の系統ごとに(前回③のブログでお話ししました)下の階から、順に小さなボールを流し、排水溝か排水桝を開け、水の勢いを確認(ボールは部屋番号を書いておき、網ですくいます)。
④敷地外の下水管や処理施設に被害が出ていないかを確認。
以上の点が確認できたら、水の使用を解禁します(場合によっては一部系統のみ)。解禁後も、居住者全員で、水の流れが悪い、壁にしみ出している、異音がする、などの変化に注意を払います。
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以上のような自主点検では、細かいひび割れや継ぎ目のズレなどはチェックできません。判定に迷うケースも考えられます。このマンションでは、最後は、あらかじめ決めておいた「被災対応本部」が判断することにしています。万一、判断ミスで被害が生じた場合、決められた手順を踏んだ上での判断なら、その責任は問わず、復旧は管理費で行います。そして、なるべく早く、専門業者に確認を行ってもらうことにしています。
大きな災害時、排水問題一つとっても、さまざまな行動、判断が求められます。そこで決めておかなくてはいけないのが、どのような体制で対応するか、ということです。上で述べたような「被災対応本部」はその一例です。被災時のマンション内の組織については、このブログでも、あらためて考えてみたいと思います。
次回は、エレベーターについて取り上げます。