後悔しない管理規約の改正

イギリス生まれのサッカーは団体球技ではルールが少ないスポーツと言われていますが、競技場には主審と線審+第4の審判の4人でファール・イエローカード・レッドカードを示し競技を進めています。
野球はルール好きのアメリカで生まれたスポーツらしくかなり分厚いルールブックにのっとり球審をはじめ、4人または、6人の審判で競技を進めています。
球技はルールが整っていて的確な判断を下せる審判がいなくては、面白味にかけるゲームになりがちです。
マンション生活において、ルールにあたるものが管理規約であり、好むと好まざるとに係らずジャッジを示さなければならいのが、理事をはじめとした役員の方々ではないでしょうか。

マンションの管理とは

マンションにはいろいろな人が暮らします。年齢や家族構成、考え方や価値観、最近では、国籍や人種までも異なる様々な人々が一つの建物の中で生活する共同体です。
共同体としての生活が営まれることにより、当然のごとくトラブルや問題が発生します。建物の維持管理、ゴミ出し、ペットの飼い方、騒音など生活様式の違いによる互いの不満を未然に防ぐには、マンションの管理や使用に関して、居住者全員が守るべきルールとして「管理規約」、「使用細則」が必要になります。

「管理規約」、「標準管理規約」とは

管理規約は、マンションで独自に決めることはできますが、何でも自由に決められるということではありません。区分所有法の強行規定に反する規約は無効になります。
また、規約の改正には特別決議(区分所有者数及び議決権数の各4分の3以上)が必要になります。
国土交通省から示されている『マンション標準管理規約』を参考に、それぞれのマンションに合った内容を検討・見直すことをお勧めします。

H29.8.改正標準管理規約(単棟型).pdf】は平成29年8月29日に改正されました)

管理規約の見直しが、必要な理由

1.分譲当時のままの「原始管理規約」のままであったり、現行の管理規約では、時代や社会の変化に対応できなくなっている。

2.管理規約はあっても、あいまいな規定では、トラブルや混乱に対処できなくなっている。

3.法律や「標準管理規約」の改正により、現行の「管理規約」では問題が生じた場合に対処できなくなってくる。

規約改正を検討したい項目の例

1.役員の成り手不足解消の為に。

  1. 役員の資格要件の緩和
    現に居住する区分所有者(現行)  →  不在区分所有者を加えたり、
    現に居住する区分所有者の「配偶者」または「成年者である一親等の親族」を加える。等
  2. 役員の定数を最小限にする
  3. 外部専門家の活用(平成28年3月改正標準管理規約で規定)
  4. 役員任期の延長(任期を2年にして、半数ずつ改選)
  5. 理事長は翌年 → 監事   副理事長は翌年 → 理事長 とする等

2.予算の執行の流動性

  1. 理事長は理事会の決議を経て、総会の予算成立の日まで前年度の予算に準じて執行すことができます
  2. 理事長は理事会の決議を経て、総会の予算成立の日まで前年度の予算に準じて執行すことができます
  3. 災害時、総会の開催が困難な場合、理事会決議又は理事長判断による応急的な工事の実施等

3.滞納対策

  1. 遅延損害金、違約金等の規定
  2. 弁護士費用等の規定
  3. 合意管轄裁判所の規定

4.共用部・専有部分の範囲の明確化

5.専門家の活用

6.暴力団排除規定

7.災害・事故など緊急時への対応

8.民泊の禁止(平成29年8月標準管理規約改正)

細則・規程を充実させる

「管理規約」の制定、改廃は「特別決議」(3/4以上の賛成が必要)ですが、各種細則・規程は、管理規約に別段の定めがない限り「普通決議」(過半数の賛成)です。
「管理規約」は法的要素があり、改正するには区分所有法・マンション管理適正化法・建替え円滑化法などに留意した改正が必要です。
しかし、各種の使用細則・規程は共用施設の利用方法や規則を具体的に定めるもので、居住者の具体的な意見も取り入れ易く、臨機応変に作成、改正することができます。

主な使用細則・規程の種類

  1. 共同生活維持に関する細則
  2. 会計処理細則
  3. 理事会運営細則
  4. 管理費滞納の督促・遅延金等の徴収に関する細則
  5. 役員候補の選定と役員報酬に関する細則
  6. 専用部分のリフォームに関する細則
  7. 駐車場使用細則
  8. ペット細則
  9. 防犯カメラ使用細則
  10. 居住者名簿の取扱いに関する細則(個人情報保護法に対応)
  11. その他各種の届出様式など

後悔しない「管理規約」の改正を行うためには

「管理規約」の改正は「標準管理規約」に合わせて行えば、簡単にできると思えるかもしれませんが、それぞれのマンションの成り立ちや、居住している人々の違いがあり、単純に標準管理規約どおりとはいかず、そのマンション独自の生活様式に合った「管理規約」の改正が必要です。また、特別決議の3/4以上の賛成を得ることも、以外とハードルが高いものです。生活実態や時節にかなった、過半数の賛成で改正でき、小回りもきく「使用細則」を活用し充実させることもひとつの方法です。いろいろなマンションの事例を熟知していて、第三者の立場で助言、アドバイスができる、マンション管理士の活用を是非ともお勧めします。